ABC検診(胃がんリスク検診)とは・・・?
ABC検診とは、胃がんそのものを見つけ出す検査ではありません。胃がんになる危険度を調べるための検査です。
ピロリ菌感染の有無と、ペプシノーゲン検査の2種類の血液検査によって胃の健康度(将来の胃がん発症リスク)を調べます。採血のみの検査なので、短時間で終了します。バリウム検査や胃カメラが苦手な方でも簡単に検査することが出来ます。
胃がんとピロリ菌
胃や腸には多くの細菌が生息しており、その多くは病原性がなく、消化を助けるなどの有用な働きを持っています。しかし、胃の粘膜に生息するピロリ菌は胃炎をはじめ、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの様々な病気を引き起こすと言われています。
ピロリ菌に感染すると胃に炎症性の 変化が起こります。この状態が長く続くことで、表層性胃炎から萎縮性胃炎へと進行していきます。これは急性の変化ではなく、長い時間を掛けての変化のため、自覚症状がほとんどありません。このような状態が数十年続くと胃がんが発生すると考えられています。
ピロリ菌感染のない人から胃がんが発症することはごく稀です。また、ピロリ菌感染によって胃の粘膜の萎縮が進むほど胃がんの発生率が高くなります。
胃がんの原因はピロリ菌だけではありませんが、ピロリ菌感染から起こる萎縮性胃炎は明らかに胃がん発生のリスクを上げているのです。
ABC検診の方法
ペプシノーゲン検査(胃粘膜の萎縮の程度を調べる検査)とヘリコバクター・ピロリ抗体価検査から、A〜Dの4つのグループに分類します。
A群・・・ピロリ菌感染、ペプシノーゲン検査ともに陰性。健康状態の胃。
内視鏡検査は5年に1回ほどで良い。
年間胃がん発生頻度はほぼ0人。
B群・・・ピロリ菌感染は陽性だが、ペプシノーゲン検査が陰性のためピロリ菌感染に伴う胃粘膜の炎症
は見られるが、軽い。
内視鏡検査は3年に1回は必要。
年間胃がん発生頻度は約1000人あたりに1人。
C群・・・ピロリ菌感染、ペプシノーゲン検査ともに陽性で萎縮が進んでいる胃。
内視鏡検査は2年に1回は必要。
年間胃がん発生頻度は約500人あたりに1人。
D群・・・ピロリ菌感染は陰性、ペプシノーゲン検査は陽性。萎縮が進みすぎてピロリ菌が住めない状態
となっている。胃がんリスクは高い。
内視鏡検査は1年に1回は必要。
年間胃がん発生頻度は約80人あたりに1人。
料金
4,620円(自費) 保険は適用されません。
実施日
月、水、木、金曜日の9:00〜12:30、16:00〜18:30
土曜日の9:00〜12:30
検診対象外の方
・胃潰瘍等で治療中の方
・腎不全の方
・胃切除後
・ピロリ菌除菌後